会社を辞めるということがどれほど重大な事なのだろうか?
日本では、会社を辞めることはどうもネガティブなこととして考えられている。
これからどうやって生活していくのかあてもないまま辞めたので、人生の負け組み・・・らしい。
妻も子供もいるのに、簡単に辞めてしまって良いのか?
簡単に、一時の感情で決めたのではない・・・ずっと何年も前から考えて来た。たまたま、きっかけがあり、タイミングも最善と判断したためだった。
このまま仕事を続けることは、派遣されて黙って奴隷のように働くことを意味し、心身ともに破壊される気がした。自分の精神的な限界に迫りつつあった。
次々に依頼される仕事に対して、「それは契約外の仕事です」と何度言い放ちたかったことか・・・。
プロジェクトのメンバーの大勢が夜遅くまで残業していることは知っているし、プロジェクトの成功を思えば、なんとかやり遂げるしか方法はなかった。
私のような中高年は、ITでの開発現場では扱い難いのも事実であろう。IT歴は、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャー(PM)よりもずっと長いし、経験も豊富である。何かあれば、ぶつぶつと反論したりするオッサンよりも、若くて何でも素直に聞く社員の方が指示しやすいというものだ。
自分を殺し、次から次へと仕事をこなしていけば、それで良いのかもしれない。
しかし、私にはもう限界であった。ああ、もっと自分の思った通りに仕事がしたい。上から言われてそれをこなすだけといった仕事はもうウンザリだ。
派遣先がお客様の現場のときは、お客様の言う通りに日々作業を行なう。これも奴隷のよう・・・。
いつぞやは、お客様へ業務の効率改善やドキュメントのフォーマット改善を提案したことがあったが、逆に意見する生意気なエンジニアだとして叱責を受けた。
この年齢で会社を辞めれば、再就職は難しいだろう。
貯金やその他の資産も無いままで、どうやって生活していくのだろう。不安が次から次へと頭をもたげてきた。妻や子供の顔を思うだけで、目頭が熱くなった。視界がぼやけてきた。「ごめん・・・」
そう思わずにはいられなかった。
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