安倍総理の談話をTVニュースのライブで観ていた。TVコマーシャルが入ると、すぐに別のチャンネルに変えて安倍総理の談話を生で拝見することに務めた。
・・・しかし、私には、残念な安倍総理の談話であった。
村山元総理が言われたように、正直に何を言っているのかが分かり難かった。
美辞麗句を並べていたが、周辺国へのお詫び等の気持ちは、感じられなかった。
歴代内閣での踏襲は過去形であり、安倍内閣でももちろん踏襲しているとする、言わば、確認できる言葉は無かった。
オリジナリティのある箇所としては、(周辺国への談話として)お詫びの言葉を子や孫の世代にまで負わせたくないといった点であろうか。
世界の平和に積極的に貢献していきたいという気持ちは伝わったが、特に目新しいものではないし、談話として語るなら、平和に積極的に貢献するためにこういったことを政策に盛り込んで日本はやっていくのだという、言わば、世界平和貢献への青写真を提言して欲しかったと思うのである。
経済では、アベノミクスという言葉で政策概念を打ち上げたのであるから、平和に関しても期待してしまったのである。
周辺国が気にするキーワードがあるなら、談話に盛り込めば良いだけの話である。
日本は戦争に敗れたのである。敗戦国なのである。この事実は変わらない。
欧米列強の植民地支配の事を取り上げても、彼らは戦勝国であり、行き詰まった日本が同じようなことをしたとしても、敗戦国は周辺の国々への配慮を談話に織り込まざるを得ないのである。
侵略かどうかは歴史が決めるとしても、侵略された側は侵略と言う文言がなければ納得できないであろうし、従軍慰安婦に関する問題も、事実関係がはっきりしないとしても、やはり、そのキーワードを含めて談話に織り込まなければ、満足のいく談話として受け入れられないであろう。
そんな簡単な作文が、なぜ今回の安倍談話では明示的に盛り込まれなかったのだろうか?
周辺国と談話の内容で平和的に満足な解決ができない国が、世界平和に貢献などできるのであろうか?
安倍内閣は、安保法案を成立させたがっている。
言っていることと、やっていることが違わないだろうか?
積極的に世界平和に貢献したいと言いながら、憲法違反の恐れの高い集団的自衛権の海外での展開を可能にしようとしているのだ。
日本は、国際的な紛争解決のために武力の行使をしない国として憲法に謳ったのである。
言いかえれば、武力以外の行使によって国際的な紛争を解決する国なのである。
だからこそ、日本は全力で、政治、経済、科学、技術、文化等に関わるなんらかの手段によって国際紛争を解決できる方法を血眼になって努力しなければならない国なのだと思う。
努力すべきは、自衛隊の海外派兵ではないはずである。
なんとも残念で落胆した安倍総理の談話であった。
アベノミクスはどうなったのだ?借金大国の日本の未来は大丈夫なのか?
安保法制に重点を置き過ぎて、こちらの方の効果が低下していないだろうか?
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